残価設定型ローンのシミュレーション!自動車ローンと比較!

残価設定型のローンは、毎月の支払い金額も抑えられてお得だと言われますが、実際はどうなのでしょうか?通常の自動車ローンと比較してどの位金額に違いがでるのかシミュレーションしてみます。

大きな声では言えませんが、ディーラーの営業マンから自動車ローンの申込や残価設定型ローンから自動車ローンへの借り換えをたくさん受付ております。

ディーラーの営業マンは、残価設定型の内容をよく把握しているのでなるべく利用しないようにしていて、ノルマがある場合は一時的に利用してすぐに借り換えをしている方が多いです。

目次

残価設定型ローンのシミュレーション

残価設定型ローンと自動車ローンを比較すると支払額、総支払額はどの位の金額に違いがでるのかシミュレーションしてみましょう。

前提条件として残価設定型ローンも自動車ローンも自動車価格350万円、頭金0円、期間5年間、金利3%でシミュレーションしてみます。なお残価は150万円とします。残価設定期間である5年間終了後は、150万円を金利6%、期間2年間で返済することとします。

①<残価設定型ローンのシミュレーション>

月々の返済額:40,311円

5年間の支払い総額:2,378,349円

②<再ローン(残価設定終了後)返済シミュレーション>

月々の返済額:66,480円

2年間の支払い総額:1,595,520円

①と②の総支払額合計:3,973,869円

利息金額=4,333,869円-3,500,000円=473,869円

再ローンの月々の支払い金額は大幅に上昇してしまいます。こんなに返済額が上昇するなら、わざわざ再ローンを組んで古い車に乗り続けるよりも、新しい車に乗り換えた方が良く感じますよね。

残価設定型ローンは、自動車を売るためにとてもよくできた制度であると言えます。


<自動車ローンのシミュレーション>

月々の返済額:62,890円

総支払い額:3,773,400円

利息金額:273,400円

残価設定型ローンと自動車ローンの利息金額の差は、200,469円となりました。自動車ローンで5年間で返済することにすると20万円以上も利息支払が軽減されて得になるというシミュレーション結果になりました。

20万円はかなり大きい金額なので、残価設定型ローンではなく、自動車ローンを利用した方が断然お得になります。

なぜこのような差がでるかというと利息の計算方法が異なるからです。

残価設定型ローンの利息の計算方法

残価設定型ローンの利息の計算方法は、残価分の利息と残価分を除いた金額の利息を合計したものになります。

残価設定型ローンは、残価設定のデメリットで記載をしていますが、実は残価部分に対しても金利がかかっています。

先程の例で計算すると残価部分である150万円にも3%の利息がかかっております。残価部分は、元金据置と同じで元金は減らないので5年間丸々3%の利息がかかるので、150万円の3%=45,000円×5年間で225,000円の利息が残価分に対してかかっております。

そして350万円から残価分を除いた200万円の金利3%、返済期間4年11ヶ月のシミュレーションを出してみます。(最終回は一括払いであるため返済期間4年11ヶ月にしてます)

月々の返済額:36,502円

総支払い額:2,153,587円

利息金額:153,587円

利息合計:378,587円

※あくまで試算であるため若干の差異があることをご了承ください。

月々の返済額36,502円に残価設定の利息45,000÷12月=3,750円を加えると40,252円になるので、①残価設定型のシミュレーションの月々返済額40,311円とおおむね同じ金額となります。

つまり、残価設定分にも利息がかかっていることから、月々の支払い金額にも分割して上乗せされており、3,750円程が残価設定分の利息として毎月加えられております。

実際は、350万円を借りているのに150万円分の元金の返済は据え置きとなっていることから、月々の支払い金額を抑えることができるので、一見お得に感じますが返済額が少ないことから利息の支払い額が多くなるという結果になりました。

残価設定型ローンで再ローンを組むと利息の2重払いになる!?

残価設定型ローンの残価設定期間を終了した後に再ローンを組む場合は、元の残価設定型のローン金利よりもかなり高くなることが多いです。

そして、先程も記載しましたが残価設定型ローンを組んでいる間、残価部分にも利息がかかっていることから、再ローンを組んだ場合は残価部分の金額に対して2重の利息が発生しています。

先程のシミュレーションを例にとると①残価部分150万円の利息225,000円と②再ローンの利息95,520円の合計で320,520円が残価部分に対して発生した利息で、2重でかかっています。かなり多くの利息を取られてしまうことがわかります。

残価設定型ローンのシミュレーションのまとめ

残価設定型ローンと自動車ローンのシミュレーションを比較してみると、残価設定型ローンの方が利息の支払い額が多く損をしてしまうことがわかりました。

残価設定型ローンは、新しい車を次々と販売するためにとてもよくできた仕組みであり、とてもお得に感じることから、ついついディーラーの営業マンの言う通りにしてしまいそうです。

またディーラーの営業マンにも残価設定のノルマがあったり、自動車ローンを利用されるよりも関連会社である○○ファイナンスや○○クレジットを通してローンを組んでもらった方が、手続きもスムーズにできて、手間が減ることから積極的に勧められます。

しっかりとご自身で残価設定型ローンの知識を付けて、後で後悔をすることがないように気を付けましょう。

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