住宅ローンの繰上げ返済を行うと、利息が軽減されておトクだという話しを聞きます。また住宅ローン控除も年末残高の1%分が減税されてとてもお得です。住宅ローン控除を受けている間に繰上げ返済をしても得になるのでしょうか?損することはないのでしょうか?
目次
住宅ローン控除期間中に、繰り上げ返済をすると損になる?
住宅ローン控除を受けている場合は、繰り上げ返済をすることによって、受けられるメリットが減ってしまうこともあります。金利とタイミングによっては繰り上げ返済をすることによって、本来受けることができていたメリットが減少して、損になってしまう場合もあります。
住宅ローン控除は年末残高の1%になるので、金利が1%以上の場合は住宅ローン控除を受けていたとしても繰り上げ返済をした方が得になります。そして、住宅ローンの利息は日割りで発生するので、1日でも早く繰り上げ返済した方が得になります。
しかし、現在の住宅ローン金利はとても低金利なので、1%を切る金利で利用している方も多くいるかと思います。住宅ローン控除は年末残高の1%分なので、繰り上げ返済をするとどのような影響を受けるのかシミュレーションしてみます。
<シミュレーションの前提条件>
住宅ローン借入金額3,000万円、金利0.5%、借入期間35年、返済開始月は1月から開始、繰り上げ返済手数料は無料とします。繰り上げ返済は期間短縮型とします。なお住宅ローン控除は年末残高の1%を10年間丸々受けられるものとします。
この条件のもと、繰り上げ返済300万円を3年経過後にした場合、5年経過後にした場合、7年経過後にした場合、10年経過後にした場合でシミュレーションをして比較してみます。
3年経過後に繰り上げ返済した場合
住宅ローン控除での減税額:2,346,900円
繰り上げ返済による利息軽減額:480,195円
合計:2,827,095円
5年経過後に繰り上げ返済した場合
住宅ローン控除での減税額:2,408,300円
繰り上げ返済による利息軽減額:450,591円
合計:2,858,891円
7年経過後に繰り上げ返済した場合
住宅ローン控除での減税額:2,469,800円
繰り上げ返済による利息軽減額:411,742円
合計:2,881,542円
10年経過後に繰り上げ返済した場合
住宅ローン控除での減税額:2,560,400円
繰り上げ返済による利息軽減額:367,366円
合計:2,927,766円
住宅ローン控除期間中の繰り上げ返済シミュレーション結果!!
住宅ローン控除を受けている期間中に、繰り上げ返済をした場合のシミュレーション結果を比較してみると、なんと早い段階で繰り上げ返済をしてしまうと、メリットを受けられる金額が少なくなってしまうことがわかりました。
10年経過後と比較すると3年経過後は100,671円、5年経過後は68,875円、7年経過後は46,224円もメリットが減ってしまいます。
低金利の住宅ローンを利用していて住宅ローン控除を受けている場合は、遅ければ遅いほどメリットが大きくなることがわかりました。
金利が低いので、繰り上げ返済をしても元々負担する利息が少ないことから効果は少なくなります。一方の住宅ローン控除は残高の1%なので繰り上げ返済をした300万円の1%である3万円は住宅ローン控除が受けられなくなってしまします。
実際は繰り上げ返済により支払い利息が減少したことから、残高の減り早くなっているため3万円以上の金額の住宅ローン控除が受けられなくなっています。
早い段階で繰り上げ返済をすると本来であれば、一番メリットがでるものなのに一番損をすることになってしましました。頑張って生活を切り詰め、お金を貯めて繰り上げ返済をしたのに結果的に一番損をしていたなんて悲しいですよね。
そうならない一番最善の方法は住宅ローン控除を受けている期間中は繰り上げ返済をしないでお金を貯めておき、住宅ローン控除が終わる10年経過後の1月1日に繰り上げ返済をすることが一番メリットが大きくなります。
繰り上げ返済をしないので、お金を貯めていくことになりますが、シン・ブログであればNISAやつみたてNISAを活用して運用しておきます。預金金利はものすごく低いので預金に預け入れしておくのももったいないです。
定期預金で金利0.01%なので、100万円預け入れして利息は100円にしかなりません。実際には税金で20円とられてしまうので80円しか利息が付きません。ATMの引き出し手数料1回分で無くなってしまいますので、預金で運用するのはあまり効率的ではありません。
NISAやつみたてNISAは株式や投資信託で運用するのでリスクがあり、運用結果は自己責任となりますが、非課税で運用することができるというメリットがあります。
投資信託のなかには債券の割合が高いなど比較的安定的に運用できるものもありますし、つみたてNIAであれば年間40万円ですが最長で20年間非課税での運用ができるので、期間が長くなれば複利の効果も大きくなります。
住宅ローン控除期間中の繰り上げ返済は損か得か?のまとめ
住宅ローンの金利が1%をきる場合は、繰り上げ返済をすると本来得られるメリットが減ってしまします。従って一番いいのは10年を経過して住宅ローン控除が終了した後に繰り上げ返済することが一番効果が大きくなります。
繰り上げ返済をしようと考えていたお金は、NISAやつみたてNISAによる非課税メリットを活用した運用を行うことに加えて、住宅ローン控除で軽減された税金も運用しておいて、10年経過後にまとめて繰り上げ返済するととても大きな効果が得られます。
なるべくなら、一番得になる方法で繰り上げ返済や運用をしたいですよね。
ブログランキングに参加してます(^^)
応援よろしくお願いします(*^-^*)